TOEICの試験を作成しているのはETSという機関です。
このETSはどのような機関なのでしょうか?本記事では、TOEIC開発機関のETSについて解説します。
目次
ETSはアメリカの英語試験開発機関
ETSはEducational Testing Serviceの略称です。この機関は1947年に設立され、アメリカのニュージャージー州プリンストンに拠点があります。
第二次世界大戦終戦後の1947年、American Council on Education(ACE) 、Carnegie Foundation for the Advancement of Teaching (CFAT)、College Entrance Examination Board ( CEEB )という3つの非営利の教育機関によりできたのがETSです。
ETSはTOEICだけでなく、TOEFLやアメリカのセンター試験に当たるSAT、GRE(大学院入学共通試験)、米国教師採用試験Praxisテストなど、約200のテストプログラムを開発している世界最大の非営利テスト開発機関です。
これは、上述の3機関がそれまで開催していた試験でもあります。
現在毎年、世界180か国、9000か所で5000万ものETSのテストが行われています。
2,500人が在籍し、数多くの専門家が在籍する巨大組織
2,500人のスタッフが在籍している巨大な機関でもあります。ここで働くスタッフは教育や発達、社会、認知といった心理学の専門家が数多く在籍しています。
そこに在籍する研究者も、業界では有名な科学者を多く輩出しています。
アメリカ国内では儲け過ぎているという批判を受けている
アメリカの数ある試験を一手に引き受けていたり、その試験の受験料の高さから、アメリカ国内では批判を受けることも多いようです。
また、ETSはNPOで非営利団体であるため、政府から法人収入税の支払い免除を受けています。財務状況の情報を証券取引委員会に提出する義務もありません。
ほぼ独占のような形で試験を提供している状況なのです。
TOEICは開発はETSだが、元々は日本人が構想
TOEICの試験の開発自体はETSが行っているのですが、元々はタイム・インクの元アジア総支配人である北岡靖男氏が日本人の国際コミュニケーションの必要性から構想したものです。そして、北岡氏がその構想をもとにETSに開発を依頼し、開発されたのがTOEICになります。
日本でのTOEICの運営は国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が行っています。