学校や会社などでTOEICを受ける場合、TOEIC(IP)というように、IPという文字が付いている場合があります。
このIPという言葉は、Institutional Programの略称で、日本語に直すと団体特別受験制度となります。これはその名の通り、団体だけが受けることができる特別なTOEICのテスト形態です。
このTOEIC IP、果たして通常の公開テストとどう違い、就活や転職の際に履歴書に載せることはできるのでしょうか?
この記事では、気になるTOEIC IPが履歴書に書けるかについて詳しく解説します。
公開テストとIPの違い
運営者が異なる
TOEIC公開テストとTOEIC IPテストでは試験を運営する母体が違います。
TOEIC公開テストはIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が主催します。一方、TOEIC IPテストは、法人や学校などがIIBCに対してTOEICの試験を開催したいという申し込みによって始まります。
申し込みが行われると法人や学校にはTOEICの問題が送付され、それを使って法人や学校側が試験の開催、運営までを実施するのです。
そのため、試験官は公開テストの場合はIIBCのスタッフが行いますが、IPテストは申し込んだ団体のスタッフが行います。
IPはTOEIC公開テストの過去問
TOEIC公開テストは試験ごとに毎回新たな問題が作成されます。
一方、TOEIC IPテストは過去に出題されたTOEICの中からどれか一つが選ばれます。つまり過去問ということです。
ただし、TOEICは年間に10回開催されているものですので、同じ問題にあたるということは稀でしょう。
受験料がIPは安い
TOEIC公開テストは5,727円ですが、TOEIC IPの場合は4,155円です。
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開催場所・開催回数が異なる
TOEICは年に10回、指定された都市・会場で開催されます。一方でTOEIC IPの場合、法人や学校といった主催者が自由に決めることができます。
テスト結果の受領方法が異なる
TOEICの場合、TOEIC公式認定証が送られます。これは、公式書類として就職活動や昇進試験などのスコアとして利用ができます。
一方、TOEIC IPの場合は成績一覧表のみ送られ、TOEIC公式認定証はもらえません。
公開試験もIPも試験の難易度は同じ
一部のwebでは、TOEIC IPの方が簡単なのでは、と言われていますが、難易度は同じです。なぜなら、上述した通りTOEIC IPの問題は過去問だからです。
ただし、最近のTOEICの試験は難化していると言われており、相対的に簡単に感じるということはありそうです。
IPはTOEICのスコアとして履歴書に書くことは可能
TOEIC-IPテストのスコアレポートは、基本的にはTOEICの公式認定証(Official Score Certificate)と同様に、履歴書に書くことは可能です。
TOEICの公式サイトを見ても、「どちらのテストを受験してもスコアの有効性に違いはありません。」という文言が明確に書かれています。
ただし、IPの場合は公式証明書が発行されません。そのため、企業から証明書の提出を求められた場合に対応ができません。
そういったリスクを避けるためにも、もし履歴書に書く場合は「TOEIC(IP) 800点」といった形でIPのスコアであることを明確に記載しておいた方が良いでしょう。
履歴書でなくエントリーシートなどでTOEICのスコアを書くスペースが決められている(カッコ書きなど注釈がつけられない)場合はIPのスコアをそのまま書いても構いません。ただし、どこかでIPのスコアであることが分かるようにしておいた方がベターです。
公式認定証でなければNGの場合もある
ただし、公務員試験や大学院入試、一部の企業では公式認定証の提出を求められることがありますので、TOEIC IPテストとは別にTOEIC公開テストの受験をおすすめします。
就職や進学の際には、提出先の企業が何を求めているかを確認しましょう。